自動車保管場所使用承諾証明書に関して

みなさま、こんにちは。

兵庫県神戸市のウェーブ行政書士事務所の松井昭一です。

前回の記事では、自動車保管場所証明申請手続(以下、「車庫証明」といいます。)に必要な保管場所の所在図・配置図についてお話ししました。

前回記事「車庫証明申請書式その5 保管場所の所在図・配置図」はこちら

今回は、自動車保管場所使用承諾証明書に関して説明したいとおもいます。

自動車保管場所使用承諾証明書ってなに?

そもそも、自動車保管場所使用承諾証明書って何?という方のために復習を兼ねて少し説明いたします。

自動車保管場所使用承諾証明書は、自己の所有しない土地または建物を自動車の保管場所として申請および届出する際、必要な書面です。

自動車保管場所使用承諾証明書の入手方法や作成方法について、こちらの記事でお話ししています。

自動車保管場所使用承諾証明書の詳細はこちら

保管場所の権原者と車庫証明

権原者

自動車の保管場所の権限者とは、駐車場を所有する者(大家さんや不動産屋)のことです。

権原者と車庫証明

駐車場を借りた人(賃貸人)は、権原者から借りた駐車場において自動車を保管することができていることを登録します。

この自動車の保管場所について登録する申請や届出が、車庫証明とか変更届と呼ばれるものです。

権限者は、自動車の保管場所として登録された後6か月を経過しない間、同じ保管場所で新たな自動車の駐車場として登録することができません。

自動車保管場所使用承諾証明書に関する原則と例外

本来、自動車保管場所使用承諾証明書を自動車保管場所証明申請書および自動車保管場所届出書に添付して車庫証明を管轄する警察署へ提出します。

自動車保管場所使用承諾証明書の添付に代えて、車庫証明の申請および届出を完了できるものがあります。

自動車保管場所使用承諾証明書の代替物を添付する例外事項についてみていきます。

代替物を添付する場合

次に掲げるものを自動車保管場所使用承諾書の代替物として添付することができます。

  • 保管場所の賃貸借契約書の写し
  • 保管場所の賃借料支払明細書の写し

保管場所の権原者に自動車保管場所使用承諾書の記入をお願いすると、これまでの慣習として、結構な額の書類作成料を請求されることがあります。

 

すると・・・

 

すでに契約している駐車場なのに、改めて保管場所の権原者に書類作成料を支払いたくない。

自動車保管場所申請証明書等に賃貸借契約書または賃借料支払明細書の写しを添付すれば、上記書類作成料を支払わなくてもよい。

保管場所の権原者に内緒で車庫証明ができ、自動車購入時の費用を抑えることができる!

 

このような趣旨の方法を裏ワザとして紹介する記事が多数みられます。

 

 

管理者は、原則として上記の方法以下、「裏ワザ」といいます。をおすすめしません

 

 

確かに上記裏ワザについて法律が定めており、保管場所を管轄する警察署へ上記代替物を用いて車庫証明の申請および届出をすることは可能です。

ただ、担当する職員によっては認めてもらえない場合もあります(法定手続きを認めないこと自体は問題ですが…)。

また、すでに賃貸借契約が成立している保管場所において、異なる自動車を登録するため新たな費用を必要とするのは、どこか釈然としない気持ちは理解できるのです。

 

 

しかし!!

 

 

 

管理者は、この裏ワザをおすすめしません(2回目)。

この裏ワザをおすすめしない理由として、

後々、保管場所の権原者との間でトラブルへと発展する可能性があるためです。

 

では仮説を見てみましょう。

 

【仮説1】裏ワザにより車庫証明を取得した者が、車庫証明登録後6カ月経過する前に転居等を理由として保管場所の賃貸借契約を解約した。

 

少し上でお話ししましたが、車庫証明が発効された場合、6カ月経過するまでその保管場所で新たな車庫証明の申請および届出をすることができません。

車庫証明が発効していることを知らない保管場所の権原者は、新たに保管場所の利用を申し込んだ者(新賃借人)と賃貸借契約が成立しても、6カ月経過するまで新たな車庫証明の申請および届出をおこなうことができません。

権原者は、前の賃借人による裏ワザが実行されていなければ得られたであろう保管場所の賃借料を得ることができなくなってしまいました(損害が発生しました)。

権原者は、裏ワザを実行した者に対し、損害賠償を請求することができます。

 

 

【仮説2】裏ワザを実行した者が、車庫証明登録後6カ月経過した後も継続してその保管場所を利用している。

 

権原者は、自己のあずかり知らぬところでリスクを背負わせる賃借人に対し、保管場所の賃貸借契約を解除できます(信頼関係破壊の法理といいます)。

 

信頼関係破壊の法理とは、高度な信頼関係を基礎とする継続的契約において、一方の当事者の投下資本の回収の利益を保護するため、他方の当事者からの一方的な契約の解除を「当事者間の信頼関係が破壊された」場合にのみ認めるという判例の考え方です。

 

保管場所の権原者は、裏ワザを行った者に対し問答無用でいきなり保管場所の賃貸借契約を解除できます(無催告解除といいます)。

保管場所の賃貸借契約が無催告解除された場合、権原者は、賃借人に対して直ちに保管場所の明け渡しを求めることができます。

明渡猶予期間を与える必要はなく、催告なども必要ありません。

裏ワザを行った者は、新たな自動車の保管場所を探さなければならなくなり、改めて車庫証明の申請および変更届をしなければなりません。

 

書庫証明費用を抑えるために行ったはずの裏ワザが、必要以上に出費を招く可能性があるのです。

 

車庫証明費用を抑えることは可能か?

 

それぞれの仮設の結果から、権原者に無断で車庫証明の申請および届出することについて「自己責任でどうぞ」とはとても言えません。

多数の権原者は、自動車保管場所使用承諾書の作成依頼時に書類作成料に上記リスクの対価を含ませて請求しています。

そのため、権原者に次の事項について了承を得た後、車庫証明の申請および届出をおこなえば、後発的トラブルを防ぐことができるかもしれません。

  • 6カ月経過後も継続して保管場所を利用する旨
  • 自動車保管場所使用承諾書の代替物をもちいて車庫証明をおこなう旨

自動車保管場所使用承諾書の代替物は、それぞれについて権原者の了承を得た場合に限り例外的に用いることができるかもしれない曖昧なものと考えていただきたいのです。

 

おわりに

今回は、自動車保管場所使用承諾証明書の裏ワザについて説明しました。

今回の記事は、かなり主観的な内容となってしまいました。

車庫証明費用を抑える裏ワザを紹介している記事はたくさんあります。

「費用を抑える」という観点では間違えていないのですが、裏ワザを実行した後に起こり得る弊害について書かれたものがあまりなかったので今回の記事を書いてみました。

神戸の行政書士奮闘日記では、役所に対する申請を自身で考えているみなさまに役立つ記事を書いていきたいと考えています。

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